はじめに:ZapierとMake、どっちを使えばいいの?
「自動化ツールを導入したいけど、ZapierとMakeどっちがいいの?」
調べれば調べるほど、どちらも良さそうに見えて迷う、あの感覚。筆者も経験済みです。結論から言うと、「手軽さ重視ならZapier、柔軟性重視ならMake」です。ただ、それだけではよくわからないと思うので、料金・機能・使いやすさを実際に使った目線で比較していきます。
なお筆者はn8nをメインに使っており、ZapierとMakeはどちらも触った経験があります。エンジニア視点での正直な比較をお届けします。
ZapierとMakeの基本情報
まず両ツールのざっくりとした概要を整理します。
Zapier
・2011年創業のアメリカ発の自動化ツール
・6,000以上のアプリと連携可能
・「Zap」という単位でワークフローを作成
・シンプルで直感的・初心者向け
Make(旧Integromat)
・2012年創業・チェコ発の自動化ツール
・1,000以上のアプリと連携可能
・「シナリオ」という単位でワークフローを作成
・ビジュアルで複雑なフローを組める・中〜上級者向け
連携数だけ見るとZapierが圧倒的ですが、Makeは主要なサービスはほぼカバーしています。「数」より「深さ」で勝負するツールだと思えば分かりやすいです。
料金比較:ZapierとMakeはどちらが安いか
料金体系が根本的に異なるため、単純比較は難しいですが整理します。
Zapierの料金プラン
Zapierは「タスク(Zap実行回数)」単位での課金です。
無料プラン 月100タスク・シングルステップZapのみ
Starterプラン 月750タスク〜・マルチステップZap対応
Professionalプラン 月2,000タスク〜・高度な機能解放
Teamプラン 月50,000タスク〜・チーム利用向け
注意点として、無料プランは2024年以降に制限が厳しくなっています。「昔は無料でも色々できた」という話は古い情報の可能性があるので注意してください。
Makeの料金プラン
Makeは「オペレーション(シナリオ内の各ステップの実行数)」単位での課金です。
無料プラン 月1,000オペレーション・シナリオ2つまで
Coreプラン 月10,000オペレーション〜
Proプラン 月10,000オペレーション〜・高度な機能付き
Teamsプラン チーム利用向け
ここで注意したいのが「オペレーション」の概念です。Zapierの「タスク(1回の実行=1カウント)」と違い、Makeはシナリオ内のステップ数がそれぞれカウントされます。つまり、5ステップのシナリオが1回実行されると5オペレーション消費します。
複雑なシナリオを多数動かしたい場合、思ったよりオペレーション数が膨れ上がる点は注意が必要です。筆者もMakeを触り始めた頃、オペレーションの消費量が想定より多くて焦った経験があります。笑
コスパで比較すると
シンプルな自動化を少量:Zapier無料プランで十分
複雑な自動化を少量:Makeの方がコスパが良い
大量の単純自動化:Zapierの有料プラン
大量の複雑な自動化:Makeの有料プラン
機能比較:何ができて何ができないか
条件分岐・ロジックの複雑さ
ここはMakeの圧勝です。
Zapierでも条件分岐(Filter・Path)はできますが、複数の条件を組み合わせた複雑なロジックを組もうとすると、シナリオが読みにくくなりがちです。Makeはビジュアルでフローを組めるため、「AだったらこっちのルートBだったらあっちのルート」といった分岐が直感的に把握できます。
API連携・カスタム連携
こちらもMake優位です。
Zapier:対応アプリが多い分、APIを直接叩く必要が少ない
Make:HTTPリクエストモジュールで柔軟にAPI操作が可能
↓
「このアプリ、Zapierに対応してないけどAPIはある」
という場合、Makeの方が解決しやすい
連携アプリ数
これはZapierの圧勝です。
6,000以上 vs 1,000以上という差は大きい。ニッチなSaaSや国内サービスへの対応はZapierの方が手厚い傾向があります。「とにかく使いたいアプリが繋がるか」を確認するなら、まずZapierを調べるのが効率的です。
使いやすさ・学習コスト
Zapier
→ トリガー(きっかけ)とアクション(実行)を
順番に選ぶだけ
→ 直感的・初心者でも30分で動くものが作れる
Make
→ ビジュアルでシナリオを組む
→ 最初は学習コストがかかる
→ 慣れれば複雑なフローも全体像が把握しやすい
実際に使ってみた比較
Zapierを使った感想
「Googleフォームで問い合わせが来たらSlackに通知してスプレッドシートにも記録する」という典型的なユースケースは、Zapierで5〜10分で作れます。設定画面がウィザード形式で、次に何をすればいいか迷わない設計は秀逸です。
ただし、「この条件の時だけ通知して、あの条件の時は別のアクションをしたい」といった少し複雑な要件になると、Zapierだと設定が煩雑になってきます。
Makeを使った感想
視覚的にフローが見えるのは本当に便利です。「どこで何が起きているか」が一目でわかるため、複雑なシナリオを組んだ後でも修正がしやすい。
ただし最初の学習コストはZapierより高い。「モジュール」「シナリオ」「オペレーション」など独自の概念を理解する時間が必要です。エンジニアやLinux・サーバーの知識がある方であれば、比較的スムーズに習得できると思います。
ZapierとMakeの使い分けまとめ
Zapierを選ぶべき人
・プログラミング知識がなく手軽に始めたい
・とにかく連携できるアプリ数を重視する
・シンプルな自動化を素早く大量に作りたい
・予算を抑えて小規模から始めたい
Makeを選ぶべき人
・複雑な条件分岐や高度なロジックを組みたい
・APIを直接操作するような連携が必要
・視覚的にフローを管理したい
・コストを抑えながら複雑な自動化を実現したい
n8nという第三の選択肢
余談ですが、筆者がメインで使っているのはn8nというセルフホスト型の自動化ツールです。ZapierともMakeとも異なる特徴があります。
n8n
・オープンソース・セルフホスト可能
・月額料金が不要(サーバー代のみ)
・ZapierとMakeの中間くらいの使いやすさ
・エンジニアなら一番自由度が高い
↓
「ZapierとMakeの両方の良いとこ取り」的な存在
コストを徹底的に抑えたい方・エンジニアの方にはn8nも選択肢に入れることをおすすめします。
まとめ
ZapierとMakeの比較をまとめます。
- 手軽さ・連携数はZapierが優位
- 複雑なロジック・柔軟性はMakeが優位
- 料金はユースケースによって変わるため一概に言えない
- どちらも無料プランがあるので、まず試してみるのが一番
「まず試してみる」が最速の答えです。30分あればどちらのツールも基本的な自動化を動かすことができます。自動化ツールは触れば触るほど「あれも自動化できるじゃん」という発見があって楽しいです。業務効率化の第一歩として、ぜひ試してみてください。